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MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)とは?特徴や手順について詳しく解説

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マーケティング活動を行っていく中で、結果的にどの部分が売上や利益に貢献したのかをきちんと把握できていますか?ここを曖昧なまま進めてしまうと、今後の方向性がズレてしまったり、的外れな戦略を打ってしまう可能性があります。そのため、結果をしっかりと把握した上で次の施策に活かせる部分を考えていくことが、どの企業でも重要だとされています。
今回は、施策の最適化を図る手法として注目されている「MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)」について解説していきます。

MMMとは

MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)とは、企業が行うマーケティング活動のうち、どの施策がどれだけ成果に貢献できたかを統計学的に分析する手法です。主に米国で取り入れられていた手法ですが、現在は日本企業でも多く使われています。

MMMは、マーケティングを構成する4P(Product:商品、Price:価格、Place:流通経路、Promotion:プロモーション)ごとに分析し、各要素がどれだけ成果に貢献できているかを定量的に可視化することで、施策の意思決定や効果的な戦略を立てる判断材料として利用されています。

▶関連記事:【マーケティング戦略に必須】知っておくべきフレームワーク7選

MMMの特徴

次にMMMの主な特徴を3つの項目に分けて解説します。

相互効果を検討

MMMは、複数の施策を同時に実施していても、お互いに与える効果や影響を検討しながらモデル化できるという特徴があります。
例えば、新聞や雑誌のようなオフライン広告を打ち出した際に、ディスプレイ広告などのオンライン広告からのCVが高くなった場合、MMMでは「単体」で獲得できた結果と「他要因」で獲得できた結果をそれぞれ分けて数値化してくれます。そのため、複数の施策を走らせていても、どの部分の影響率が高いかの確認が可能となり、次のアクションも打ちやすくなります。

外部要因の分析

MMMは、自社ではコントロールが不可能な外部要因も分析することが可能です。
外部要因とは、競合他社や世界情勢、天候、季節などがあげられます。例えば、暖冬の影響でストーブなどの暖房機器の売上が全く伸びないといった場合は、マーケティング施策事態に問題があるのではなく、どちらかというと天候の要因が大きく影響しています。そういった外的要因も含めてMMMは分析可能なので、効果的な施策を打ちやすくなるでしょう。

過去事例の分析

MMMは、過去のマーケティング施策データを分析できるので、成功事例や失敗事例を活用することができます。
過去に「どんな製品が・いつ・どこで・いくらで・どんなプロモーションで売れたのか」を分析することで、次に打つべき施策・戦略が立てやすくなるでしょう。

MMMのメリット・デメリット

MMMを活用することで多くのメリットが得られますが、反対にデメリットも存在します。

メリット①:マーケティング施策全体を把握できる

MMMの1つ目のメリットは、マーケティング施策を全体的に把握できるという点です。
先述の通り、複数の施策における相互影響や過去事例、外部要因といった様々な視点から分析できるので、マーケティング施策の全体把握がしやすいというメリットがあります。
とくにオンライン広告とオフライン広告を合わせて施策を行っている企業は、MMMを活用することで今まで分析しきれていなかったデータが生まれ、新たな戦略のヒントに繋がるかもしれません。

メリット②:顧客のプライバシー情報が不要

MMMの2つ目のメリットは、顧客のプライバシー情報が不要という点です。
多くのマーケティング手法では顧客のプライバシー情報が必要とされていますが、MMMは、そういった情報を扱う必要がありません。
個人情報保護への取り組みが厳しくなっている現代において、プライバシー情報を必要としないMMMを活用することはマーケティング活動するにあたって有意的と言えるでしょう。

デメリット①:効果が得られにくい

MMMの1つ目のデメリットは、蓄積されたデータ量が少なかったり、質があまり良くない場合に、施策の効果を十分に評価できず効果が得られにくいということです。
特に規模の小さいマーケティング施策では、効果が期待できない可能性が高いため、その施策状況に合った分析・評価方法を導入した方が良いでしょう。

デメリット②:専門性が高く、参考事例が少ない

MMMの2つ目のデメリットは、専門性が高い上に参考事例が少ないという点です。
高度なデータ分析を要するMMMは、高い専門スキルや知識が必要とされています。知識が曖昧なまま手を出してしまうと、正確な分析結果を出せなくなる可能性があるので注意が必要です。
また、日本国内での導入事例が少なく、参考にできる事例も少ないため、研究しながら進めなければならない部分はリスクと言えるでしょう。

MMMの手順

次にMMMの手順について解説します。

①分析ロジックを選定

まず最初にすることは「分析ロジックの選定」です。

MMMに用いられる分析ロジックは「重回帰分析」「パス解析」「共分散構造分析(構造方程式モデリング)」等があり、目的に合わせて選定していくことが大切です。

分析ロジック内容目的
重回帰分析2つ以上の説明変数が目的変数に与える影響を分析する手法未来予測・どの要因がどの程度影響しているかを分析
パス解析説明変数と目的変数との関係性をパス図を使って簡潔に表現したもの因果関係のメカニズムを明確化
共分散構造分析共分散と呼ばれる数値を利用して、互いに関連を持つ複数要素の因果関係の向きやその要素の強さを分析する手法因果関係の方向と強さの比較

②内部要因と外部要因をリストアップ

次に過去に実施したマーケティング施策「内部要因」のリストアップ、競合他社や世界情勢、天候、季節性といった「外部要因」のリストアップを分析の目的に合わせた粒度で洗い出していきます。ここをきちんと行うことで、より正確な分析結果に繋がるのでしっかりと取り組みましょう。

③ツールやサービスの選定

次にMMMのツールやサービスの選定をしていきましょう。
海外には、Channel Mix、Market Theory、MASS Analytics、Maximus、Optmine、Proof、Nielsen、Neustar、Pecan.aiといったツールプロバイダーがあったり、FacebookのRobynやGoogleのlightweight MMMといった無償のオープンソースが存在しており、様々な規模の企業で使われています。もちろん国内でもプロバイダーやサービスが作られてきており、その数は昔に比べて増えてきています。

④施策を振り分ける

次に消費者の購買行動に合わせて施策を振り分けていきます。
購買行動モデルには、AIDMA(アイドマ)・AISAS(アイサス)・SIPS(シップス)など様々な種類があるので、自社が分析する商品・サービスに合わせてモデルを選定し、ステップに応じた最適なマーケティング施策を振り分けていきましょう。

▶関連記事:購買行動モデルとは?-消費者の行動理解は、成功するマーケティング戦略のカギ!

⑤データを収集

次に②の「内部要因と外部要因をリストアップ」で洗い出したデータを収集します。日単位なのか月単位なのかといった分析期間も決めて収集していきましょう。

⑥データ分析と分析精度の向上

最後に①で選定したロジックに合わせて分析をしていきます。もし初回の結果で分析の精度が低かった場合は、分析ロジックの見直しや新たな要因がないか再度リストアップをしたりして、分析の精度を高めていきましょう。

まとめ

今回は、MMMの概要から手順等について解説しました。
MMMを導入することで、今まで見えていなかった課題の改善や最適な施策の立案に繋がり、効果的なマーケティング活動を実施できるでしょう。
まだ国内では事例の少ない手法ですが、今後の「cookieレス対策」や「他社と差をつける」といった意味でも、先手で進めていくのがいいかもしれません。

しかし、どうしても難易度の高い手法になるので「もっと簡単にサポートしてもらえるようなツールが欲しい…」という方も多いと思います。

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