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【第5回】BtoBとBtoCのマーケは全然違う!商談に繋げ、受注までに実施するBtoBマーケの施策展開とは?

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マーケティングの今とこれからを探っていく連載コラム「ボーン・トゥ・プラン ~明日なき計画~」。第5回目の今回は、なんだか難しい「BtoBのマーケティング」について。
同じお客様でも「個人」と「法人」では実はマーケティング手法も営業戦略も大きく異なるもの。中々上手くいかず、ようやくアポイントが取得できても受注に至らなかったり、同じ失敗を繰り返してるような気がして「難しい・分からないのスパイラル」にハマっていませんか?
今回はBtoBマーケティングをどう考えるべきか、BtoCとの違いを比較しながら「アナイグマ」がそのメソッドをお伝えします!
第4回はこちら

アナイグマって??

イントロダクション

最近転職してきた期待のエース「たけし君」。

アナイグマさん…BtoBの営業って難しいんですね。受注どころかアポも全然取れません…

たけし君って前職BtoCだっけ?法人営業は実はBtoCとは考え方が根本的に違うんだよ。

BtoBとBtoCの三大相違点!

的が狭い!→ターゲットが明確

そもそもBtoCっていうのは日本中にいる”個人”に買ってもらう為のマーケティング。そのターゲットは同じ性別、同じ年代、同じ悩み、といったような共通点を持っている人たち、ではあるけど、もちろんそれぞれ違う個人だから唯一に的を絞るのがとても難しいんです。
それに比べてBtoBのターゲットはあくまで”組織”が対象になるため明確になりやすく、的が狭いのが特徴です。的が狭い、ということは、一見狙うべきところがわかっているから簡単なように思いがちですが、母数が少ないなかで競合より自社を選んでもらうことはハードルが高くなる要因のひとつです。

提供する商品・サービスは業務上の課題を解決するもの、が基本になるから、その業務を行う部署、担当、、と更にターゲットが絞られていく。

大企業になるほど細分化して、縦割りになっているところも多いですしね。。

アプローチの手段が限られる!

たけし君は仕事中にLINEみる?

見ないです!怒られちゃうし、逆に気になるので見ないようにしています!笑

Facebookは?

社外の方とコンタクト取ったりするのに使いますね!

仕事中をONモード、プライベートをOFFモードとします。
多くのビジネスパーソンはONモードの時にSNSもしないし、友人とLINEもしないですよね。
ただ、たけし君のようにFacebookはONでも活用する人も多いのではないでしょうか。
つまりONの時に見ているもの、すなわち『接触するメディア』は限られてるという事です。
さらにいうとメディアの中で「ビジネスパーソンがONの時に閲覧していることを考えているサービス」はそこまでたくさんあるわけではないですよね。
メディアもある程度絞られた状態での選択になり、その分アプローチ手段も制約されます。

営業行為が関わる(これが一番大きな相違点!)

BtoCもBtoBもゴールは『受注』、商品・サービスを買ってもらうことです。どちらも同じように見えますが、実はゴールに至るまでのプロセスが全く異なるのです。

BtoC、特にデジタルマーケティングの世界ではWEB上でCV=購入に至るケースが多くなりますが、BtoBのCVはあくまで通過点、そこからアポや商談といった営業行為が始まります。
つまりBtoBはリード獲得のゴールと、受注に至るゴールの2段階が発生するのです。

リードを獲得したあと、営業による説得を経て、ようやく買ってもらうというプロセスが発生するのが決定的に違うんですよね。

確かにリード獲得してからが営業の腕の見せどころですもんね。

BtoB領域のマーケティングの考え方

これらを踏まえてBtoB領域のマーケティングの考え方では下記のポイントを抑えることが重要です。

①ゴール設計

先ほどBtoBのゴールは2段階で発生すると説明しましたが、BtoBにおいても最終ゴールは『受注し買ってもらう事』になりますよね。1段階目ではなく、そこをしっかりゴールに据えられているか、を改めて認識することが重要です。

②アプローチにおけるストーリー設計

ゴールを明確にしたらそこに向けて「どんな人」に「何をすればいい」のかというアプローチ手段とターゲットを加味したストーリーの設計が必要になります。繰り返しになりますが、1段階目のゴールから逆算して設計するのは危険です。受注に至らないリードを獲得するだけ、にもなりかねません。

③「新規リード」と「既存リード」

始めて出会う「新規リード」、過去に何らかの接点が合った「既存リード」。
どちらに対して何をやるのかは大きく異なります。1段階目で出会ったリードと、2段階目までの途中にいるリードとでは、自社に対する認知度や関係値などに差が生まれているはずです。逆に差が生まれていないとしたら、顧客育成=ナーチャリングが機能していないということです。

商談の獲得を目指した施策展開

マーケティングフェーズである、1段階目のゴール(良いリードを獲得する)を決めるには、その後の育成(ナーチャリング)フェーズでどんな人が顧客化したのかをよく知らないといけません。

マーケ側からリード獲得!って言われて、そのリードのニーズが全然違ったらどう思う?

営業しづらい!ってなります…

商談しやすいニーズの合ったリードが欲しいよね。

そうですね!商談成功例に近い顧客像だと勝率も高そうですね。

マーケティングフェーズで獲得したリードに対するナーチャリングフェーズがあるからこそ、「上手くいった理由」「上手くいかなかった理由」が把握・分析しやすくなります。
そして最初はあやふやだった顧客像の「悩みやニーズ」といった細かい部分を理解し、リアルな顧客像が見えることで、さらに商談に説得力を持たせ、受注確率をあげていくことが出来るのです。

よくあるケースとして、分析を繰り返していくうちにマーケティング側だけでPDCAを回して行きがちになり、リードの量>質になってしまうことがあります。マーケティングの目的は最終的な受注に至る可能性の高い良質なリードを獲得するという、大前提を忘れないようにしなければなりません。

マーケティング側は営業しやすいリードを獲得する事、
営業側はどんな経緯で取れたリードなのかを理解し育成を行う事。つまりマーケティングと営業がリレーションを取ることが何より大事なのです。

施策のワークフロー化

BtoB領域における施策展開がどうあるべきかを理解いただけたかと思います。
ではそれをどう整理しながら個々の施策に落としていくかを説明します。

いつ伝える?

どんな企業、商品・サービスにも繁忙期というものがあります。
その時期を見据えて来期の予算計画を行うのが一般的です。

では、予算化するタイミングっていつだと思う?

年末とか期末とか?ですか?

そう!それは来期のことを考えるタイミング。この時にウチの施策をしっかり予算に入れてもらわないといけないですよね。

12月に検討してもらおうと思えば10月までに見積もりを。
10月までに見積もりを出したければ8月から関係性構築を。
なんだかんだ1年をかけてセールスをかけることになるのですが、「いつどこでどんな情報を」お知らせするのか、いつまでにクローズしたいのか、どのぐらいの時期に予算を確保したいのか、それぞれ考えながら計画を立てていかないといけません。

誰に伝える?

まず1点目として自社商品・サービスを活用してもらいたい業種や職種にターゲットを絞り、その人たちが接触するメディアで施策を実施する『人軸』の考え方があります。冒頭でお伝えしたようにターゲットが見えやすく、的が絞りやすいのがBtoBの特徴と言えます。
しかし中にはこの『人軸』ではうまく行かない場合があります。

それは「悩み」の場合です。
例えば「業務を効率化したい」という悩みは業界・職種を問わずに多くのビジネスマンに共通する課題なのではないでしょうか?
ただ、「業務を効率化したい」という一言でも、営業的な業務効率なのか、人材的な業務効率なのか…詳細は様々であり、色々な悩みの声、シチュエーション毎にストーリーを考えなければなりません。
このように「悩み」に関しては、”人”や”業種・職種”で分けてしまうよりも、その悩みをより深く知り、解決するための手段として訴求する必要があります。

このように「誰に届ける」というのは人軸と課題軸に大きく分けられ、その時々に合った軸で考えていく事が大事です。

どこで伝える?

ここまで一つ一つを追って考えていくと次第にどこで伝えるべきかが解ってきます。
例えば

  • どんな人が集まっているプラットフォームなのか?
  • どんなターゲティングをしているメディアなのか?
  • テキスト?動画?画像?どんなフォーマットなのか?

そもそも伝えたい人に伝えるにはどれが適しているかを選んであげる必要があります。
例えばリアルな人物像が解っている「人軸」で考えてみれば、「個人」を指定しやすいので会員IDを持っているメディアがマッチする、といった形です。
その見えている「個人」がどんな仕事をしているか?触れる機会が多いのは活字なのか動画なのか?そんなところを深掘っていきながらメディアを選定していくことが大切です。

なにを伝える?

フォーマットはテキストや動画、画像系など、様々な形がありますよね。
ただこのフォーマットを考える上で「ターゲットに何を言いたいのか」が鍵となってきます。

『効率化出来る』ことを打ち出したバナーを考えてって言われたら、どうする?

『課題が解決します!』とか『悩み、持っていませんか?』と問いかけてみたり…?

いろんな訴求軸が出てきそうだね。

訴求内容は色々と出てくると思いますが、個のフレームワークに沿って「いつ・だれに・どこで・何を」という一貫したストーリーに沿って考えることが大事です。
ターゲットが興味を持ってLPを見に来た時に、ちゃんとそのストーリーの流れを踏まえた内容、つまり「今このタイミングで自分の願いを叶えてくれる」とイメージできるような一貫性を持たせないといけません。

さらに最近ではインセンティブを用意するのも常套手段です。
「詳しい内容を見に来てほしい」「アナタ個人を知りたい、知ったうえで提案したい」とお願いをしたいのであれば、時に対価として何かを差し出すことも必要です。

例えばBtoCの場合は購入時に「ポイントプレゼント」などのおまけを付けることが多くあります。
BtoBの場合は何をプレゼントするのかというと『情報』です。
ビジネスパーソンにとって情報は重要な物。資産と考えている人も多くいます。

そんな情報をどのようにプレゼントするのかというと、よくあるのはホワイトペーパーです。
例えば「LINE広告の極意」のようなホワイトペーパーは、LINE広告を検討している人にとっては読んでみたい内容ですよね。
そのようなとっておきの情報をお渡しするので、貴方の事をもっと教えてください。という交換条件で個人情報、すなわちリードを獲得することが出来るのです。

この一連の流れが全てかみ合って、それぞれのKPIが達成されていくと、受注に至る効果のある施策となるのです。
施策を続けていくと、個々のKPI達成のための対策を講じ、いつしかこのワークフローから逸脱し本質から外れてしまうことはよくあります。これは何もマーケティング初心者だけが陥る罠ではありません。熟練の担当者であっても経験に基づいた手法、すなわち勘に頼ることでより深い沼にハマってしまうことも。何のために行っているのか、常にこの基本に立ち返れるようにワークフローによる可視化は非常に重要です。

すなわちSQLを獲得することが大事

BtoBのマーケティングには「良いリードを獲得」して「営業で確実に刈り取る(受注)」という施策展開が重要です。マーケティング部門と営業部門がお互いにリレーションをとって初めて効果的な施策となるのです。

BtoCとは違い、長い時間をかけてターゲットを口説き落とすBtoBはターゲットの人間性を知りその人に合ったストーリーを組み立て、一貫性のある口説き文句を考える事が成功への第一歩です。

アナイグマのひとこと

BtoBでは特に営業とマーケティングのリレーションが大事なんですけど、長年言われていることとして、「営業とマーケは仲が悪い」というのがあります。試しにGoogleで「営業 マーケティング」と打つと、サジェストで「対立」と表示されるほど。悩んでいる人も多いようです。ではなぜそんな溝が生まれるのか、それは双方の認識が違うからなんですよね。営業としては、マーケから供給されたリードはナーチャリングにも時間がかかるし、見込みの低い業種・職種だったりするので積極的に動きたくない。マーケとしては、コストかけてようやく獲得できたリードを放置されるし、ストーリーを組み立てて作成した資料やコンテンツを活用してくれない。これじゃ仲が悪くなるのも当然です。認識の違いとして、営業は受注への近道を求めていて、マーケは遠回りとなる育成前提でリードを供給していることが挙げられます。あとは社風や風土にもよりますが、「営業が偉い!」という営業至上主義が双方を”勘違い”させていることもありますね。同じ企業で働く者として目的は同じなのに、こんな無駄なことはありません。ではどうすれば良いか。答えは簡単で、認識の相違、勘違いなら正せば良いんです。リレーションを築くにはコミュニケーションを取ること。営業が受注率を高めるために行うのは顧客とのコミュニケーションを密にすることです。マーケが施策を考えるうえで重要視するのは顧客とのコミュニケーション手法です。コミュニケーションを大事にする双方がコミュニケーションできていないなんて皮肉ですね。今回は施策を俯瞰して見るためにワークフローを可視化することを案内しましたが、まずは営業・マーケを俯瞰して見ることから始めるのが正解のようです。

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