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【第11回】YouTube広告ってウザイ?ブランド毀損の危険性とそれを防ぐ方法とは?

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マーケティングの今とこれからを探っていく連載コラム「ボーン・トゥ・プラン ~明日なき計画~」。第11回目の今回は、皆さんご存知のYouTube広告について。視聴しているユーザーとしてはどうしても”ネガティブな印象”を抱いてしまう要因や、広告主としてユーザーに嫌われないようにYouTube広告を行うための方法などをアナイグマと共に深堀り。自社ブランドを守るためにも、健全な動画広告を行うためにも、今一度、一緒に考えていきましょう!
第10回はこちら

アナイグマって??

イントロダクション

最近、YouTubeのAP●Xの配信に挟まる広告がうざいんですよね。全然自分に関係の無い広告なので(マーケティング企業に勤める私がいうのもなんですが…笑)。

わかるわかる、しかもおんなじ広告が何度も出てくるよね。

そうなんですよ、だからどんどん嫌いになってくるっていう…笑 これってブランドイメージを悪くしてるだけですよね。

コスト使ってイメージ落とすなんて本末転倒だよね。広告、特にデジタル領域はそれに陥ることが少なくないね。

じゃある種そういった負の部分は目をつぶって出稿するしか無いんですかね。。

さあてどうかな?今日はちょっとそんなブランド視点から見たYouTube広告について掘り下げてみようか。

YouTubeの人気コンテンツのゲーム実況、広告としては…?

登録者数世界1位のチャンネルもゲーム実況であったりと世界的に人気なジャンルであり、幅広い年齢の視聴者がいる動画ジャンルです。

ただ、YouTubeで動画広告を配信するマーケターの間では”ゲーム系配信ジャンルは広告には適さない”と考えられています。
なぜかというと、、、

1:ターゲットオーディエンスが幅広い

ゲーム系配信の視聴者は”広範囲な年齢層”、”幅広い興味を持つ”ようなユーザーで構成されています。そのためターゲットを狭めてエンゲージメントの高いユーザーに配信したい広告主にとっては適さない場合が多いです。

2:視聴者の注意散漫

このジャンルには派手な演出やアクションが含まれた映像など、視聴者の注意を引く内容のモノが多くあります。そのため、広告の配信にインパクトを感じられない、もしくは集中力が切れてしまい広告に意識を向けてもらえない可能性が高くなります。
また、ながら視聴のユーザーも多いため、そもそも広告を見てもらえない可能性もあり、適さないと判断される場合が多いです。

3:コンテンツの適正性

ゲーム系の動画には時折、成人向けコンテンツや暴力的な要素が含まれることがあります。一方で広告主はブランドセーフティーの観点からガイドラインに合致した環境で広告を配信したいと考えています。このように、ゲーム系動画においては広告が表示されるコンテンツ自体の適正性が問題となることがあります。

こうした理由の為、ゲーム系の配信における視聴者は広告に対する積極性が欠ける、すなわちエンゲージメントが低いと認識される場合が多いです。ただし、広告主の目的やターゲットオーディエンスによっては、適切な広告戦略を構築することでゲーム系配信を活用する方法もあるので、一概に”NG”とは言えません。

そうなんですよね。ゲーム実況に広告が適さないっていうのは私がイラっとしてる時点でその通りかなぁ。

話は変わるけどさ、よくよく考えてみると、地上波のテレビのCMはそんなにイライラしないよね?

確かに。いいとこでCMに行くとイライラしますが(笑)CMの内容自体に不快感を感じることは少ないですね。なんでなのでしょうか?

テレビCMと動画プラットフォームにおける動画広告の違い

同じ”動画を流す広告”としての形態は一緒なのに、テレビとオンラインで感じ方が違うのはなぜなのでしょうか?
いくつかの考えを示して行きます。

1:制作物(動画)クオリティの違い

テレビCMの制作コストは高いことで知られています。
必要となる良い機材や専門の技術者、撮影場所、出演者というようにクオリティを高めるためにお金をかけて作られています。またそこにプロのCMプランナーの構成が組み合わさることでクリエイティビティの高い動画が完成します。
半面、オンラインにおける広告制作に関しては、比較的低コストで行われることが多いです。スマホ等で撮影されたシンプルな動画、アプリ等の簡易的な動画編集で作成されたモノも多く、さらにオンラインという性質上、頻繁に広告内容が入れ替わることも簡単に作れる動画が増える理由のひとつになっています。

2:動画の長さ

テレビCMは一般的に15秒、30秒、60秒などの固定された尺で制作されます。
オンライン動画広告は様々な長さ、さらにはサイズまで数多く制作されます。
これは番組の合間にテレビで放映される前提で作られるCM動画と、様々な媒体の仕様、様々なコンテンツの合間にランダムに流れる事を前提に作られる動画広告とで大きな違いになっています。

確かにクオリティの違いははたから見ても顕著に感じますね。オンライン広告の動画の中の人って「いかにも普通の人です」って感じの人が多いですし。

そうだよね、オンライン動画広告がユーザーに好印象で受け入れられ難いのはこの「クオリティ」の違い、そして「プラットフォームで流れるもの」ということろにあるんだと思うんだよね。

一歩間違えばブランド毀損を起こしかねない

我々のようにオンライン動画広告に対して「好意的な印象を持っていないユーザー」はとても多いです。みんなとにかくはやく”スキップ”したい。
それは前記したようにオンライン動画広告に対して”質の良いものではない”と感じてしまうこと、そして”強制的に見せられているもの”だと感じさせてしまっているからです。

テレビCMでも思わず目を奪われたもの、ストーリーが感動的で記憶に残っているもの、そんなものはありませんか?
クオリティ高く考え抜かれて作られた動画は広告だと理解していてもつい見てしまったり、気になってしまったりするものです。それが地上波の放映で、自分が見ようと意図していない、つまり「強制的に見せられている」としてもそこに不快さを感じさせないほど”制作物として完成”しているのです。
私たちはそんなクオリティの高いテレビCMを介して短編的な動画広告に見慣れてしまっているといっても過言ではありません。

しかし、いまオンライン動画で流れている広告はどうでしょうか?

登場人物にも動画の内容(商品)にも”関心がない”のに”繰り返し同じものを見せられる”と誰しも不快な気分になってしまうものです。
さらに視聴ジャンルとまったく関連のない広告や相性の悪い広告(ドライブ系動画とお酒の広告、アニメ系でマッチングアプリ等)が表示されてしまう場合もあることで不快感をさらに煽ってしまう可能性があるのです。

ユーザーとしてはこんな気持ちにさせる商品、企業に対して好印象をもつわけがありません。
そのため、オンライン動画広告はコンテンツの内容や広告配信における環境を整備しないと、商品もしくは企業のブランド毀損を起こしてしまうのです。

動画広告っていうのは成熟期に差し掛かっていると思うんだけど、動画広告配信の環境がそこまで細やかに整っているわけではないよね。悪くいってしまえば、無秩序…と感じるような事もたくさんあるし。

マーケターとしては動画広告ってもはや理解出来てないとダメだけど、ハンドリングが難しすぎておすすめ出来ないって感じがしますね。

でもね、最近いいサービスを見つけたんだよ。プラットフォーム内の動画をしっかり解析して、精度の高いホワイトリストとブラックリストを作ることで動画広告にマッチしたコンテンツにだけ配信できるんだよね。やはり困りごとや悩みごとには、そこを埋めるサービスが出てくるもんだね(しみじみ)。

アナイグマさんが見つけたのは「ZEFR」

https://www.zefr.jp/

「ZEFR」とはYouTube公認パートナーであり、主なサービスとしてはYouTubeにアップロードされる膨大な動画コンテンツを独自の技術で解析し、配信する広告・広告主にあうように掲載面を調整してくれるサービスです。

YouTube広告のセグメント除外ではデリケートな社会問題や乱暴な表現、成人向けコンテンツなどの一般的な規制をもとにした除外が可能です。
しかし、広告配信をするのであれば、自社の広告とマッチした動画に表示するべきであり、尚且つカテゴライズがされていないような問題がある動画には表示しないようにすべきですよね。

YouTube広告の配信設定だけではその部分の細やかな調整が難しいのです。
そこをフォローアップし、広告に適した形で配信面を調整し、エンゲージメントの高いユーザーへの視聴を促す事でより広告効果を上げることを目的としたサービスなのです。

YouTube上でコンテクスチュアルターゲティングが可能

コンテクスチュアルターゲティングとはユーザーではなくコンテンツをターゲティングする手法で、コンテンツにマッチする広告を配信できる手法のことを言います。

「ZEFR」ではYouTube上でそれを可能にしています。ここからはその理由を紐解いていきましょう。

YouTube公認パートナーであることで大規模なデータと直接連携することが可能

YouTube公認パートナーとは、GoogleがYouTubeというプラットフォームのパフォーマンス向上とその測定、そして動画コンテンツの傾向を理解するために外部のパートナーを認定するものであり、その計測法や解析に信頼をおかれている、という意味でもあります。
ちなみにZEFRの競合として同じようにコンテンツを解析してターゲティングできるサービスもありますが、YouTube公認パートナーではないためそもそも読めるデータが桁違いに少なくなり、言うまでなく精度に大きな違いがあります。

特許を取得した動画の判定・解析の技術で細やかなカテゴライズが可能

配信先となるコンテンツの動画内容、動画の長さ、タイトル、Like数、Dislike数、説明文をもとに動画判別を行います。また”人の目(ヒューマンレビュー)”で強化されたAIで高精度で細やかなカテゴライズの判別を行っています。

解析した動画コンテンツをホワイトリスト化し配信後の計測が可能

精密に解析した掲載先となる動画コンテンツを、安全な動画であるか、問題がないかを判定しながらホワイトリスト化。
膨大な量の動画コンテンツのURLを一つ一つリスト化しコントロールすることで配信面のハンドリングを行い、計測と共に効果を返してくれます。

ブランドスータビリティで広告主のブランドを守る

一般的にしられる「ブランドセーフティ」は、暴力的なコンテンツやアダルトコンテンツ等の安全性の欠けるコンテンツを排除してブランドの価値を守る考え方です。
ですが「ブランドスータビリティ」はコンテンツとブランドのマッチ(適合性)でブランドの価値を維持、向上させるというワンステップ上の考え方なのです。

例えばアルコールに関する動画コンテンツは”飲酒を楽しむ”イメージを与えますが、ここに車の広告を配信すれば”飲酒運転”を想起させてしまう可能性があります。
逆の考え方で同じアルコールに関する動画コンテンツに高級食料店やホテルレストランの広告を配信すると”大人でオシャレなディナー”をイメージさせ新しいブランドイメージを確立できる可能性もあります。

このようにブランドの価値と広告のメッセージ性に合わせて配信面を調整することでコンテンツとブランドの最適なマッチングを行い、ユーザー、動画コンテンツ、広告すべてがマッチした動画プラットフォームの実現を「ZEFR」は大切にしているのです。

無秩序…って言っていた所を綺麗にしていきましょうねって感じのサービスなんですね。

そう、よくいわれる特定のジャンルがダメだ~とかではなくって、あなたにはあなたにあった動画コンテンツに配信しようね、という話なんだよね。もはや広告とコンテンツのマッチングサービスみたいなモノじゃない?

確かにそうかもしれませんね。自分もゲーム実況みている時に新しいゲームの広告とか持ってるゲームの新シリーズの告知とかあると「お!」って思いますし。

自分の為になる広告や気になる広告はありがたいもんね。YouTube広告配信するなら絶対このサービス使おうって思ったもん。

今回は「YouTube広告ってウザイ?ブランド毀損の危険性とそれを防ぐ方法とは?」という内容の連載でした。
興味がないことに対して強制的にとやかくいわれるのは誰しもが嫌な事です。
それを「しょうがないから」で放置せずに、コンテンツの質を高めて、配信面をしっかり確認してマッチさせることがとても大切です。
その結果ブランド毀損を避けるだけでなくYouTube広告の効果も高まることを忘れずに、しっかり考えて広告配信を行って行きましょう。

アナイグマのひとこと

限られたチャンネル数のなかでテレビを見ていた時代から大きく変化して、いまやあらゆる媒体で多種多様な動画コンテンツが溢れています。人間が自由に使える時間は(そんなに)変わらないのに。だから次々とコンテンツを乗り換えていくのは当然で、動画はいかに冒頭で惹きつけるかという勝負になっているんですね。更にそこに挟まれる広告なんて余程のインパクトが無い限り見てもらえない。個人的にはどんどんインパクト重視な動画ばかりになり、そんな手法論が良しとされる味気なくてつまらない時代だと思いますが。。そんな「待てない」時代に見てもらえる動画広告を作るなんて至難の業です。けれど、それはあくまで掲載されている動画と無関係な広告だからでは?「作業用BGM」って銘打ってる動画だからそもそも見られてないのでは?自社の商品・サービスと相性が良いコンテンツを選び、且つ広告配信に適さない面を排除すれば、見てもらえる確率を上げることができるんじゃないでしょうか。それは現代においても変わらないと思います。どんなに良いものを作ってもそれだけでは売れません。求めている人に届けることで初めて売れるんです。なぁ~んだ、それって広告の基本ですよね。

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