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ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)とは?メリットや進め方について詳しく解説

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多くの企業がリード(見込み顧客)を対象としたマーケティングをする中で、昨今自社にとって価値がある優良顧客をターゲットとする「ABM」というマーケティング手法が注目を集めています。
BtoB領域でマーケティングを行う企業にとっては、売上向上の為に取り入れるべき手法のひとつとなりますので、しっかり理解しておきましょう。
今回は、ABMのメリットや進め方、合わせて活用すると良いツール等もご紹介します。

ABMとは

ABMとは「Account Based Marketing」の略で、自社にとって重要な顧客(アカウント)を選定して絞り込んだ上で、戦略的かつ組織的にアプローチを行うマーケティング手法です。
従来の「業種」「規模」などをターゲットとする手法とは異なり、バイネームで「企業」を特定してターゲットとすることが大きな違いです。
複数の部署が連携を図りながら価値の高い顧客に対して、ベストなタイミングで最適な商談をすることで、その顧客からの売上の最大化を図ることが目的です。

平均顧客単価より何倍も高くなる可能性がある企業を選定すれば、リソースを集中させて優先度を上げて取り組むことで売上に繋げる可能性を高めることができます。当たり前のことではありますが、この取り組みを実践できている企業はそう多くはありません。目先の売上だけではなく、将来的に大きく伸ばしていけるように、部署間での連携をしっかりと取りながらABMを実践していきましょう。

ABMのメリット

次にABMのメリットについて解説します。

①ROIの向上

1つ目のメリットは、ROIの向上です。
先述の通り、平均顧客単価より何倍も高くなる可能性がある企業に的を絞ることで、無駄なリソースを割くことなく、時間を費やした分だけ利益に繋げることが可能になります。

②スムーズなアプローチが可能

2つ目のメリットは、スムーズなアプローチが可能になることです。
ABMは、営業やマーケティング、開発などが、一体となって成果を上げていく手法です。同じ考えを持って業務を進めることが求められる為、部署間で一貫したアプローチを行うことができます。

③リソースの最適分配

3つ目のメリットは、リソースの最適分配です。
最初から特定の企業に絞ってからアプローチを行うABMは、各業務ごとのリソースを最適に分配することができます。特定の企業により多くの時間を割くことができる為、顧客との信頼関係も築きやすくなるでしょう。

ABMで活用すべきフレームワーク

次に、ABMで活用する際におすすめのフレームワークをご紹介します。

自社の現状を知る「3C分析」

3C分析とは、Customer(顧客/市場)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つについて分析することです。成功要因を導き出すことができ、今後の事業をどういう方針で進めれば良いのかの方向性も決めることが可能になります。

競合を理解する「5forces分析」

5forces分析とは、「売り手の交渉力・買い手の交渉力・業界内の競合の脅威・新規参入者の脅威・代替品の脅威」の5つの要因を分析することです。業界の収益構造を理解するとともに、自社の競合優位性を発見するためのフレームワークです。

「STP分析」

STP分析とは、Segmentation(細分化)、Targeting(狙う人・場所)、Positioning(自社の立ち位置)について分析することです。どの市場で、どんな立ち位置でアプローチをしていくか見つけ出し、自社の立ち位置を確立していくためのフレームワークです。

▶関連:【マーケティング戦略に必須】知っておくべきフレームワーク7選

ABMの進め方

次に、ABMを実施するにあたっての具体的なSTEPを解説します。

①ターゲット(アカウント)選定

まず注力すべき企業(アカウント)のリストアップを行い、優先順位を付けながら整理をします。
<選定基準>
・将来的に見込まれる売上が高い企業
・自社のサービスとの相性がいい企業
・市場へのインパクトが大きい企業
・長期的な売上に繋がる企業

②意思決定者の特定

アカウントの組織構造を把握し、その中で重要な役割を担う「意思決定者」を見つける必要があります。そのようなデータが無い場合は、営業チームに調査をしてもらうか、社外の専門業者からデータを購入し、アプローチする人物を見つけましょう。

③最適なコンテンツ・メッセージの決定

ターゲットが持つクリティカルな課題やニーズに対して、自社だとどんな商品・サービスを提供できるのかを考えて、パーソナライズ化された価値のあるコンテンツ・メッセージを提供することが重要です。

④チャネルの決定

webやメール、紙媒体など、ターゲットとの接点となる最適なチャネルを検討します。

⑤施策実施~効果測定・改善

コンテンツとメッセージの準備が完了したら、アカウントの意思決定者に向けて発信します。効果測定をしながらPDCAを何度も回して、最適化を図っていきましょう。

ABMを活用する際のおすすめのツール

次に、ABMを活用する際におすすめのツールをご紹介します。

CRMツール

CRMツールとは、顧客情報の管理や既存顧客との長期的な関係構築に貢献し、アップセルやクロスセル等もサポートするツールです。

SFAツール

SFAツールとは、営業支援ツールと言われており、売り上げや受注数、顧客の管理や進捗状況といったデータを可視化させ、営業活動の効率化に役立てられているツールです。

MAツール

MAツールとは、顧客の購買履歴やWEB上での行動等の情報を蓄積し、そのデータを基にアプローチすべき個人を特定していくマーケティングの自動化ツールです。

▶関連:「MA・SFA・CRM」どこが違う?それぞれの機能について詳しく解説

まとめ

今回は、ABMのメリットや進め方、合わせて活用すると良いツール等について解説しました。BtoBマーケティングに「ABM」を取り入れることで、ターゲットを絞り込み、社内で一貫性のある動きがとれるため、無駄なリソースを減らしてROI向上に繋げることが可能になります。

ただ、ABMの肝とも言える「最適なコンテンツ・メッセージの決定」を見誤ってしまっては、この施策を前に進めることは困難となります。ターゲットがどんなコンテンツ・メッセージだと響くのか、どうすれば自社の商品・サービスを価値のあるものだと気付くのか。

その答えを導くために必要なのは「顧客のインサイト」を分析することです。
ソーウェルバーでは、隠れた顧客の行動やニーズ(インサイト)を可視化する分析ツール「VALIS-Cockpit」をご用意しております。通常の分析ツールでは見えなかった自社サイトの「外と中」での顧客行動を追跡し、隠れた顧客のニーズを把握することが可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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