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次世代マーケットの中心を担う「Z世代」とは?-特徴や価値観、効果的なマーケティング施策

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マーケティングを考える上で、ターゲットの特徴や価値観を把握することは非常に重要です。
今、次世代のマーケットの中心を担う存在として注目を集めているのが「Z世代」です。
Z世代はこれまでの世代とは異なった新しい価値観を持っているといわれており、従来通りのプロモーション戦略が通用しないこともあるといわれています。
今回は、Z世代の特徴、他世代との違い、Z世代に向けた効果的なマーケティング施策について解説します。

Z世代とは?

Z世代はアメリカで生まれた言葉「ジェネレーションZ(Generation Z)」の訳語として広まった世代区分の呼称です。
何年生まれかの厳密な定義はありませんが、日本では主に1990年後半から2012年に生まれた世代を指し、2021年現在9~21歳くらいです。

語源

元々アメリカでは、1960年後半~70年代に生まれた人を「ジェネレーションX(X世代)」と呼んでいました。その語源は、カナダの作家ダグラス・クープランドの処女作『ジェネレーションX―加速された文化のための物語たち』からきています。
その後、生まれた世代を約10年毎にアルファベット順にY世代、Z世代と呼んでいます。Z世代の次の世代は、ギリシャ文字のα世代と名付けられています。

Z世代とX世代の違い

後述しますが、Z世代がデジタルネイティブと呼ばれているのに対し、X世代はデジタルイミグラントと呼ばれています。X世代は幼少期をインターネットなどのITが普及する前に過ごし、20~30代になってインターネットが普及した世代です。さらに上の世代と比べてデジタルを使いこなせてはいるものの、テレビや雑誌から情報を得ることがベースとなっている人が少なくありません。

Z世代とY世代の違い

Y世代は、ほぼ同義である言葉としてミレニアル世代という呼称もあります。
それまでの世代とは異なり、Y世代もインターネットが当たり前にある環境で育っているため、最初のデジタルネイティブと呼ばれることもあります。しかし、インターネット普及前の時代も経験しているため、Z世代の方がよりデジタルに強いといえます。

両者には共通点も多いのですが、Y世代はサービスに非日常を求めるのに対し、Z世代はリアルと共感性を求めるという違いがあります。
また、Z世代は自分らしさを大切にするため、パーソナライズされた商品を好む傾向がより強いです。

Z世代の特徴

X世代、Y世代とは異なる価値観を持っているZ世代。
ここからは、そんなZ世代の特徴を詳しくみていきましょう。

デジタルネイティブ

Z世代の特徴としてはまず第一に、デジタルネイティブであることがあげられます。
学生時代からインターネットに触れてきたY世代もデジタルネイティブに当たりますが、Z世代は生まれた時からインターネットが身近にあり、利用することが当たり前という、他世代とは次元が異なる、紛うことなきデジタルネイティブです。

初めて手にしたデバイスがスマートフォンであることも多く、スマホネイティブでもある彼らは、スマホさえあれば情報収集が簡単にできるため、テレビや雑誌などのマスメディア離れが進んでいるといわれています。

また、Z世代はSNSを生活に欠かせないツールとしている人が少なくなく、SNSネイティブとも呼ばれています。
情報収集もGoogleの検索エンジンではなく、SNSで行います。検索エンジンでの検索、いわゆる「ググる」のではなく、Instagramのハッシュタグを手繰って情報を得る=「タグる」のが主流です。
しかし、SNSでの軽はずみな投稿が危険であることを十分理解しているので、個人情報の流出やプライバシーの侵害には人一倍の注意を払ってSNSを使っている点も他世代とは異なる特徴といえるでしょう。

ダイバーシティとインクルージョンを重視する

ダイバーシティとは多様性、インクルージョンは受容を意味する言葉です。
周囲の多様性を認め、受け入れ、個性を尊重し合うことを大切にしている世代です。
それは、小学生のうちから人権意識の教育を受けて育ったことで、「人と考え方や価値観が違うのは当たり前」であることを素直に受け入れるからと考えられています。

また、リアルな世界で違和感を感じたとしても、SNSで検索すれば多くの情報に触れることができ、同じ考えをもったコミュニティを選択することもできます。

ジェンダーや社会問題に対しても関心が強く、SNSを使って情報発信することで、人権問題をはじめとした社会問題に立ち向かっていくことができると実感している人が多い点も特徴です。

共感性や人とのつながりを求める

SNSのリアルな口コミを参考に消費行動を決める行為にも表れていますが、ポジティブなものもネガティブなものも含めて「共感できる」ことを求める傾向があります。
同時に、自分らしさという個性を大切にしていて、家族や仲間など他者とのつながりを重視しています。

Z世代に響くマーケティング施策:4つのヒント

ターゲットであるZ世代を動かすためには、従来のマーケティング施策だけでは不十分です。価値観の違いを理解したところで、Z世代の心に響くプロモーション施策は何か考える必要があります。

リアルとオンラインを融合させる

Z世代はリアルとオンラインの垣根が低く、「実店舗で確認してネットで購入する」消費行動が特徴的です。
そのため、リアルとオンラインを上手く融合させたシームレスな戦略を立てることが必要になってきています。

実際に下記のような施策が効果を上げています。

  • 実店舗でもアプリで注文できる
  • 実店舗にQRコードを設置し、その場で商品レビューを確認できる
  • ショールームのように体験型で、モノを売らない店舗を展開する
  • オンラインの商品の実店舗での試着予約ができる

コストパフォーマンスの良さをアピールする

Z世代は、リーマンショック後の経済不況な社会で育ったため、保守的で堅実な消費感覚を持っています。いわゆるブランドだからという理由だけではZ世代の心には響きません。その価格を払う価値が本当にあるのか、実用性があるのかを重視しているので、コストパフォーマンスの良さをアピールすることが効果的です。

サブスクリプションサービスやシェアリングエコノミーサービスが流行っているのは、このようなZ世代のニーズに合っているからだといえるでしょう。

等身大のリアルな声を使う

ネットでの消費に慣れ親しんだZ世代は、情報の信頼性を確かめた上で購買する傾向があります。加工アプリ、フェイクPRに囲まれて育ってきた世代なので、フェイクされた不自然なPRは敏感に感じ取り、避けるのです。

一方で、自分がフォローしているインフルエンサーのおすすめに強く影響され、価値があると判断したものには支出を惜しみません。
ただし、フォロワーが何百万人もいる有名人よりも、自分に近しい人物、いわゆるマイクロインフルエンサー的な等身大の人を参考にします。
そのため、プロモーションではフェイクで盛ったりせず、等身大のリアルな声を届けていく戦略が求められています。

また、インスタライブやYouTubeLiveなどリアルタイムで双方向のコミュニケーションができるライブ配信サービスを使うことも、Z世代の生の声を知ることができるのでおすすめです。

▶関連:SNS広告とは

心を動かすコトを考える

Z世代の消費行動を読み解くには、若者の間で使われる「エモい」という言葉にも注目です。ある事象によって、自らの心の琴線に触れ、感情が動いた時に使われる言葉ですが、この「エモい」によってブームが生み出されています。
最近では、フィルムカメラ、純喫茶、レコードなどアナログなものが「エモい」と流行ったのも記憶に新しいのではないでしょうか。
デジタル世代であるがゆえに、逆に歴史のあるものや不便なものに魅力を感じ、心を動かされたのです。

まとめ

消費の中心はこれまでのY世代からZ世代へと、時代は移り変わりつつあります。
これからのマーケティング活動において、Z世代の消費行動を理解することは不可欠といえるでしょう。
彼らの最大の特徴はデジタルネイティブかつSNSネイティブであることです。これまで以上にインターネットを活用したプロモーションが重要になってくる中で、Z世代独特の価値観をうまく捉え、心を捉えるマーケティング施策を実施していきましょう。

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