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【2種のSaaSを徹底解説】ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSの違いとマーケティング特性

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1998年頃に普及したASP(Application Service Provider)が元になって、2000年代に普及し始めた「SaaS」。日本でも徐々にその言葉が浸透し、スタートアップの企業も続々と立ち上がるなど市場も大きく盛り上がってきています。
今回は、SaaSのなかでもホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSという2つのタイプの違いや、その特性について解説します。SaaSの導入を検討されている方だけでなく、SaaS事業への参入を考えている方も参考にしてみてください。

SaaSとは

SaaSとは「Software as a Service」の略称で、「ソフトウェア」としてクラウド上にあるサービスのことを指し、「サース」や「サーズ」などと言われています。
ユーザーは端末に依存せず、クラウドにアクセスすれば、必要な時に必要な機能だけを利用できるようになっています。
例えば、Office365やG Suite、SlackなどのツールがSaaSになります。

またSaaSは、業界を問わずに横断して活用される「ホリゾンタルSaaS」と、特定の業界に特化して活用される「バーティカルSaaS」があります。
次項では、この2つについて詳しくみていきましょう。

ホリゾンタルSaaSとは

ホリゾンタルSaaSの「ホリゾンタル」は「水平」を意味しており、業界・業種を問わず使えるサービスのことを指します。
例えば、Salesforceやマネーフォワード、Gmailといった勤怠管理や経費管理、メールサービス等がホリゾンタルSaaSに当たります。また、MAやSFAといったツールもこれに該当し、業務の効率化や業務課題の解決をサポートするのが特徴です。

バーティカルSaaSとは

バーティカルSaaSの「バーティカル」は「垂直」を意味しており、特定の業界・業種に特化したサービスのことを指します。
例えば、CarebookやANDPADといった、医療業界や建設業界等に限定されるサービスがバーティカルSaaSに当たります。
アメリカ等では「インダストリークラウド」とも呼ばれ、業界・業種で発生する課題の解決をサポートするのが特徴です。

マーケティングにおけるホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSの特性の違い

ホリゾンタルSaaS・バーティカルSaaSそれぞれに機能やサービスの違いがあるため、マーケティングに関する特性も大きく異なります。

ここでは、マーケティング観点からのホリゾンタルSaaS・バーティカルSaaSの違いについて説明します。

市場規模

まず1つ目の違いは「市場規模」です。先述でもお伝えした通り、ホリゾンタルSaaSは業界・業種問わずのサービスのため、すべての業界がターゲットとなります。そのため、特定の業界に特化したバーティカルSaaSよりも市場規模がはるかに大きくなります。
バーティカルSaaSは、市場規模こそホリゾンタルSaaSに劣るものの、ターゲットとなるとなる業界が抱える課題解決に最適なサービスを提供し、そのマーケット内で拡大できれば充分収益を伸ばしていけるでしょう。

競合他社

市場規模が大きければ大きいほど、競合他社の数も多くなってくるので、ホリゾンタルSaaSはバーティカルSaaSより競合他社が多くなります。
現状、バーティカルSaaSは海外ではシェアが多くなっていますが、日本ではまだ少ないため比較的ブルーオーシャンと言えるでしょう。しかし業界に特化したバーティカルSaaSは、その業界特有の課題解決やノウハウ等の知識を十分に持ち合わせていないと最適なサービスを提供することが難しいので、参入のハードルはホリゾンタルSaaSよりも高いでしょう。

マーケティング施策

業界・業種を問わないホリゾンタルSaaSは、市場規模が大きいため、リードを幅広く獲得していったのち、リードナーチャリング・リードクオリフィケーションをしてCVまで繋げるように進めていきます。ただ幅広くマーケティング施策を実行することになるため、その分コストがかさみやすくなります。

一方で、業界特化型のバーティカルSaaSは、ターゲットとなる特定の業界に限定してマーケティング施策を行うことになるので、ホリゾンタルSaaSよりコストをかけずに効率的に獲得を進めることが可能です。しかし業界がピンポイントに絞られるため、大量にリードを獲得することは難しいでしょう。

▶関連記事:【リードから顧客を獲得】リードナーチャリングとは?手法と実施プロセスを解説

まとめ

今回は、ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSの違いやマーケティングにおける特性について解説しました。
これから参入を検討される方も導入を検討される方も、それぞれの特徴を把握した上で自社に適したSaaS導入、自社の強みを活かせるSaaS開発ができるようにしましょう。

また参入を検討されている方は、特に自社のターゲット・ニーズがどこに眠っているのかを事前に調査した上で開発を進めないと、的外れのものができてしまったなんてことになり兼ねません。
ソーウェルバーでは、人工知能を活用して自社サイトの「外」の潜在層データを分析可能にしたツールをご用意しております。顧客自身も気付いていないようなニーズや関心を分析することで、競合も踏み入れていない層を発掘することが可能です。
「今のターゲット・方向性はこれで合っているのか」「新たな顧客を見つけたい」というお悩みのある方は、ぜひお気軽にご相談ください。お客様の状況に沿った分析や施策をご提案いたします。

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