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「ファンダムマーケティング」とは?ファンの熱狂がブランド力を高める!

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近年、マーケティングの世界では「ファンダム(Fandom)」を活用したアプローチが注目を集めています。
単なる商品やサービスの提供を超え、「熱狂」的なファンとの強いつながりの力を使ってブランドや商品の価値を高める新しい手法がファンダムマーケティングです。
今回は基本概念から、なぜ今ファンダムマーケティングが注目されているのか、従来のファンマーケティングとの違いなどを解説します。

ファンダムマーケティングとは

ファンダムマーケティングとは、特定のブランド、商品、サービス、有名人、キャラクター、作品などに対して、強い熱量と知識を持ったファンのコミュニティ(=ファンダム)に着目し、その熱狂をブランドの推進力とする手法です。
最大の特徴は「企業 対 ファン」だけではなく、「ファン 対 ファン」の相互作用を通じて活性化させる点です。
企業はファンダムに「場」や「きっかけ」を提供するだけで、共通の「好き」で結びついたファンダムは、自発的に情報収集や共有、創作活動を行います。

情報収集と共有

 ファン同士やSNSなどで活発に交流し、情報交換や一体感を高めていきます。

コンテンツの創作

ファンアートや二次創作、レビュー動画などで生み出したコンテンツは新たなファンを呼び込みます。

共創

ファンを消費者としてではなく、ブランドを育てていくパートナーとして意見を求めたり、企画に参加してもらったりします。

拡散

熱狂的なファンは熱量と幅広い知識をもっているため、ブランドの強力な味方となって新規顧客の獲得に貢献します。
中にはインフルエンサーのような立ち位置のファンが存在し、他のファンの購買行動や口コミに大きな影響を与える場合もあります。

わかりやすい例として、K-POPアーティストとそのファンダムの関係があげられます。
ファンダムは単にCDを買うだけではなく、自主的に投票活動を行ったり、SNSでトレンドを作ったりと、アーティストの成功のために行動します。

従来のファンマーケティングとの違い

ファンとファンダムの違いを改めて確認しておきましょう。

  • ファン:(その商品やサービスなどに)好意・興味を持つ人
  • ファンダム:ファンたちが集まり、熱量の高いコミュニティを形成している状態

従来のファンマーケティングはファンである顧客に対して、いかに大切にするか、長く関係を続けられるようにするかといった「企業からの働きかけ」が中心であり、顧客は受動的な立場にありました。
例)限定コンテンツ提供やイベント開催、ポイント制度など

対して、ファンダムマーケティングはファン同士がいかに盛り上がり、その熱量が外へ連鎖していくかという、「ファン自身の自発的な行動」によって販売促進をするという点が特徴です。
例)公式コミュニティサイトの運営、ファン主導の企画支援など

なぜ今ファンダムマーケティングが注目されるのか

ファンダムマーケティングが注目される背景には、消費者の価値観の変化があります。
まず、Z世代を中心に、単にモノを買う「モノ消費」から体験すること「コト消費」に、さらに「自分が共感できるコミュニティに属すること」や「誰かを応援すること」が重要視されるようになったことが1つ目です。
2つ目は、SNSの普及により、画一的なマス広告は消費者に届きにくくなり、「信頼できる友人や同じコミュニティのファンダムによる口コミ」の影響力が高まったことです。
マーケティングの核が「企業から顧客」より「顧客から顧客(UGC)」へ変化しているのです。 熱量の高いファンダムが自発的にSNSで拡散することで、新規ファンを呼び込んでくれます。
この力を戦略的に活かせる企業が競合優位性を築いていけるでしょう。

ファンダムマーケティング成功のポイント

ファン心理の理解

まず最も大切なのはファン心理を深く理解することです。
例えば人気キャラクターとコラボをする場合、ブランドや商品との相性が悪ければ、ファンから「世界観を壊された」とネガティブな反応を受けかねません。
キャラクターの価値観やファン心理を理解した上で、自社ブランドがどのような接点を持てるのか真摯に検討し企画設計を行うことが大切です。
そうすることで「信頼」や「共感」を呼び、単なるプロモーションではなく、ファンが応援したくなるプロジェクトになるのです。

SNSで語りたくなる体験設計

ファンにとってSNSは、自分の好きを発信し、仲間と繋がる場です。
特にZ世代・ミレニアル世代は自分の投稿が誰かの共感や反応を呼ぶことを重視しているため、SNSでシェアしたくなるようなイベントやコンテンツを仕込むことが鍵になります。

ファンとの距離感

企業がファンダムをコントロールしようとすると、ファンは利用されていると感じ離れてしまいます。
あくまで主役はファンであり、企業はファンが活動しやすい環境を整える「黒子」に徹することが重要です。
そうした余白のある関係性が、ファンの創造性や熱量を高めてくれるのです。

まとめ

ファンダムマーケティングとは、個々のファンに焦点を当てる従来のファンマーケティングから一歩進み、ファン同士のコミュニティの力を活用する手法です。

ファンダムの熱量、自発性、結束力を尊重し、企業がそれを支援することで、UGCによる拡散や強固なブランドロイヤリティが生まれます。
消費者の価値観が多様化し、コミュニティの力が強まっている現代において、非常に重要なマーケティング戦略といえるでしょう。

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ファンダムマーケティングを活用するにあたって、顧客の生の声を把握することは欠かせません。
顧客の熱狂を味方につけて、新しいマーケティング戦略を練っていきたいとお考えの方、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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