マーケティングの今とこれからを探っていく連載コラム「ボーン・トゥ・プラン ~明日なき計画~」。第16回目の今回は、遂に公開されたHAKURAKUの特長のひとつ「考察」について。生成AIが分析から考察までできる現代、人と同じように捉えてしまっていいのか?アナイグマと一緒に考えていきましょう。
第15回はこちら。
アナイグマって??

イントロダクション

アナイグマさん、HAKURAKUってすごいっすね。SNSの投稿データからペルソナやカスタマージャーニー、ストーリーまで一気に出してくれるんですね。これだけで、もう答えが見えてくる気がしますわ。

HAKURAKUのアウトプットは非常に有用だよね。誰でも簡単に膨大なデータから有益な示唆をスピーディーに得ることができる。 実際、このアウトプットだけでも、十分に実務で活用できるレベルの答えが出てくるよ。

僕は考えるのがちょっと苦手なんで、こうやって視覚的にもわかりやすくペルソナとかストーリーがわかると、いろんなパターンで仮説が作れそうです!

簡単に分析~考察まで実行するHAKURAKU
近年、生成AI技術の進化も伴って、マーケティングの現場でもデータをAIで分析できる時代になりました。HAKURAKUではSNSやWeb上の膨大なデータを短時間で分析し、ペルソナやカスタマージャーニー、ストーリーなどのアウトプットの自動生成を実現しています。
分析を開始するのも簡単で、分析したい①商材のカテゴリ・②商材名・投稿を取得するための③検索ワードを入力するだけで、SNS等から顧客の声を収集し、投稿を自動で分類・クラスタリングします。さらにデフォルトで3種類のペルソナやカスタマージャーニー、ストーリー、カテゴリーエントリーポイント(CEP)などのセットをスピーディーに出力します。


ふむふむ。HAKURAKUが作ったペルソナから“20代女性はこの商品に興味あり”ってなったら、それでターゲティングできちゃいますよね。

その通り。HAKURAKUが示す傾向やペルソナは、施策のたたき台として十分活用できる。ただ、そこからさらに深く考察することで、もっと具体的で現場に合った施策を作ることができるんだよ。

なるほど、AIの出した答えをヒントに、現場の知見や新しい視点を加えるってことですね。

まさに。HAKURAKUには“ポストグループ分析機能”というものもあって、特定の投稿群だけを取り出して、さらに深掘りしたペルソナやストーリーを再生成できるのが大きな特長なんだ。しかもその投稿群を見つけるための“ポスト分類機能”とか、示唆を得られるように設計されているから、ヒントが見つかりやすいんだよね。
HAKURAKUの出力をヒントに考察を重ねる
例として、とある清涼飲料水についてHAKURAKUで分析したケースをご紹介します。まずHAKURAKUを使い、製品に関する投稿を収集したうえで生成AIがその投稿を考察した結果「爽やか」「夏のアクティブなシーン」「部活動」などのキーワードでペルソナやカスタマージャーニー、ストーリーが生成されました。
担当者は、HAKURAKUが出力した「爽やか」「夏のアクティブなシーン」「部活動」といったペルソナやストーリーを確認したうえで、HAKURAKUが分類した「健康志向」投稿群に注目しました。この「健康志向」グループの投稿を詳しく見てみると、「家族で楽しめる」「罪悪感が少ない」「運動後にもぴったり」といった声が多く含まれていることに気づきました。
ここで、HAKURAKUのポストグループ分析機能を活用し、「健康志向」投稿群だけで改めてペルソナやカスタマージャーニー、ストーリーを再生成。これにより、「家族で健康を意識している母親」「部活動帰りの子どもと一緒に飲む」といった、より具体的なターゲット像や利用シーンが明確になりました。
事例:HAKURAKUの分類から考察を深めた成果
担当者は、こうして得られた新たなペルソナやストーリーをもとに、
- 「健康志向」投稿群のインサイトを活かし、“家族で楽しむ健康的な飲み物”という新たな訴求軸を追加
- 「爽やか」や「部活動」投稿群のストーリーと組み合わせ、“夏のアクティブなシーン”や“運動後のリフレッシュ”を強調したクリエイティブを展開
さらに、ユーザー参加型の投稿企画やインフルエンサー施策も組み合わせることで、
- SNSエンゲージメント率が従来比で約1.5倍に向上
- 新規フォロワーや口コミ投稿が大幅に増加
- 売上もキャンペーン期間中に前年同期比で20%以上伸長
といった具体的な成果につながりました。

すごいですね……!HAKURAKUで出てきた投稿群をさらに深掘りして、具体的なペルソナまで作り直せるんや。しかもそれで実際に売上も伸びたんですね。

そうなんだよ。AIのアウトプットだけでも十分に価値はあるけど、そこに人間の考察を重ねることで、より実践的で成果につながる施策が生まれるんだよね。
AIと人間、それぞれの強み
このように、AIの分析と人間の考察を掛け合わせることで、マーケティング施策の精度や実効性は大きく高まります。では、AIと人間はそれぞれどのような強みを持っているのでしょうか。役割分担を整理してみましょう。
項目 | AIの強み | 人の強み |
---|---|---|
データ処理 | 膨大なデータの収集・整形・分析 | データの背景や文脈の理解 |
パターン抽出 | 過去データからパターンを抽出・予測 | 現場の知見や経験に基づく仮説の検証・創出 |
効率化 | 反復的な分析・仮説検証の自動化 | 創造的な施策立案や優先順位付け |
判断 | 客観的な分類・推定 | 倫理観やブランド価値、社会的責任の考慮 |
得意なこと | 効率化、データ分析、予測 | 創造性、感情的知性、倫理的判断 |

なるほど、AIは大量のデータを素早くまとめてくれるし、人間はその背景や現場のリアルな感覚を掴むのが得意なんですね。

AIの強みと人間の強み、それぞれを活かすことでより納得感のある施策が生み出せるし、結果にも繋がっていくと思うんだよね。HAKURAKUは分析した結果を表示して終わり、じゃなくてヒントを見つけやすくしてるから、再分析を簡単に繰り返せるのが大きな特長なんだ。
まとめ
HAKURAKUでは、ペルソナやストーリー、投稿群の分類など、実務に十分活用できる高精度なアウトプットを短時間で提供します。さらにその結果をヒントとして、現場の知見や経験、ブランドの価値観を重ねて考察することで、より納得感と成果のある意思決定が実現します。AIと人間の強みを掛け合わせることが、これからのマーケティングの新しいスタンダードです。

HAKURAKUで分類された投稿群をヒントに考察を重ねて、さらに“ポストグループ分析機能”で具体的なペルソナまで深掘りできるんですね。よっしゃ!早速僕のクライアントにも提案持っていきます!ほな!

……行っちゃった。そう、その意気だぞー
アナイグマのひとこと

いやはや、AIと人間の掛け合わせ、、まるで漫才コンビのようなものですね。どちらか一方だけでもピン芸人として成立するケースもありますが、やっぱり“ボケ”と“ツッコミ”が揃ってこそ、思わぬ化学反応が生まれるものです。HAKURAKUのアウトプットを見ていると、AIがテンポよくボケをかましてくれて、そこに人間が「ほんまかいな?」とツッコミを入れる。すると、思いもよらない新しいアイデアや気づきが生まれる瞬間があるんです。あ、いや、もちろんHAKURAKUは意図的にボケたりはしないですよ。真面目に考察してくれます。あしからず。最近は「AIに任せれば全部うまくいく」と思われがちですが、現場で汗をかいた経験や、ちょっとした違和感を見逃さない人間の勘も、まだまだ捨てたもんじゃありません。というかAIにはできない領域ってあります。AIの分析結果に「なんでだろ?」と疑問を持ったときこそ、マーケターとしての腕の見せどころ。AIと人間、それぞれの強みを信じて、これからも“漫才”の呼吸を大切にしていきたいものです。さて、たけし君は次にどんなボケ、いや、気づきを持ってきてくれるでしょうか。私も負けていられません。