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購買行動モデルとは?-消費者の行動理解は、成功するマーケティング戦略のカギ!

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人がどのようなプロセスを経て購買に致るのか理解することは、マーケティング戦略を考える上で非常に重要です。素晴らしい商品やサービスなのに、マーケティング戦略の方向性を誤ってしまったがために、消費者に届いていないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
人が購買に至るプロセスはいくつかのパターンがあります。有名なAIDMA(アイドマ)を始めとした、5つのパターンを解説します。
各モデルの違いや特徴を理解し、自社の戦略立案に活かしていきましょう。

購買(消費)行動モデルとは

消費者が商品やサービスの購入に至るまで、どのようなプロセスを経たのか、心理面・行動面から時系列にモデル化したものです。

インターネットやSNSの普及で人が手にする情報が溢れた昨今、ただ商品やサービスのメリットをやみくもにPRするだけでは、売れるのは難しい時代です。

購買行動モデルを把握することで、より適切なタイミングかつ、適した方法で商品やサービスのPRを行うことができます。

購買行動モデルの種類

購買行動モデルは時代の流れに沿って変化しており、多くの種類があります。
今回は、時代の流れに沿って5つに大きく分け、それぞれのモデルからまず有名なAIDMA(アイドマ)、AISAS(アイサス)、SIPS(シップス)、DECAX(デキャックス)、最新のRsEsPs(レップス)まで解説します。

  • マスメディアが主流の時代の購買行動モデル
    • AIDMA(アイドマ)
    • AIDCAS(アイドカス)
  • インターネットが普及した時代の購買行動モデル
    • AISAS(アイサス)
    • AISCEAS(アイシーズ)
  • SNSの浸透による購買行動モデル
    • VISAS(ヴィサス)
    • SIPS(シップス)
  • コンテンツマーケティングが軸の購買行動モデル
    • DECAX(デキャックス)
    • Dual AISAS(デュアルアイサス)
  • 今注目されている最新の購買行動モデル
    • RsEsPs(レップス)

AIDMA(アイドマ):購買行動モデルの基礎

1924年にアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した理論で、最も有名で基本的な購買行動モデルです。
消費者が商品を知ってから、購入に至るまでのプロセスを時系列に整理し、それぞれの頭文字をとって名付けられています。
AIDMAで注目すべきことは、「Memory(記憶)」の段階があることです。
人は興味や関心を抱いたものに対して、しばらくすると購買意欲が下がり、時には忘れてしまうことも少なくありません。顧客に自社商品やサービスを購入させるためには、強く印象付ける工夫が必要になってきます。何度もCMを流したり、DMやメールマガジンを送ったりするのは、そのための手法の一つです。

AISAS(アイサス):インターネットの普及による新しい購買行動モデル

2004年に電通によって提唱されました。
「Desire(欲求)」や「Memory(記憶)」に代わって、商品やサービスについて知った消費者が、インターネットで検索したり、情報収集をする「Search(検索)」する行動が現れました。インターネット購入が増えたことを象徴するような購買行動モデルです。「失敗したくない」という心理が働き、興味が沸いた商品を即決で購入せず、検索し比較するのです。
また、スマートフォンの普及により、購入後に口コミや感想をSNSなどで気軽に発信「Shere(共有)」することもできるようになったのが特徴的です。

SIPS(シップス):SNSの浸透による購買行動モデル

2011年に電通コミュニケーション・デザイン・センターの佐藤尚之氏をリーダーとした社内ユニットによって提唱されました。
SNSが浸透したことにより、個人の参加や共有・拡散を重視した消費行動モデルが登場しました。その一つがSIPSです。

今までの消費行動と比較して、「Attention(認知)」が「Sympathize(共感)」に変わったことが大きな変化です。SNSでこれまでは興味のなかった情報に触れ、思いもよらぬ共感が生まれた経験は誰しもあるのではないでしょうか。自分がフォローしている人に対しては信頼感が強く、共感が生まれやすい傾向もあります。
SIPSのもう一つの特徴は、「Action(購買行動)」に限定した段階がないことです。
「AIDMA」や「AISAS」といった、従来の消費行動モデルは「購買」を軸としていました。
しかし、SIPSにおいて購買行動は「Praticipate(参加)」に含まれますが、「Praticipate(参加)」はSNS上でいいねやRTをするといった、購買を伴わない行動も含んでいます。
個人個人が参加していくことで、結果的にマーケットが広がっていくことにつながるのです。

DECAX(デキャックス):コンテンツマーケティングを軸とした購買行動モデル

2015年に電通デジタル・ホールディングスによって提唱されました。
コンテンツマーケティングとは、消費者が求めている情報をコンテンツ(広告ではない、価値のある情報)として提供し、最終的に購買につなげるマーケティング手法です。
オウンドメディアやコラムの記事だけではなく、動画も増えてきており、これからの時代さらに重要になってくるといわれています。

DECAXは、コンテンツの読者や視聴者と企業の関係を深めることがカギとなります。
特徴は消費者が能動的に自ら有益な情報を探しに行き、「Discovery(発見)」することです。
集まってくれた消費者に購買行動を起こさせるためには、有益なコンテンツを継続的に提供し、信頼構築していくことが大切です。

RsEsPs(レップス):最新の購買行動モデル

2019年に一般社団法人日本プロモーショナル・マーケティング協会が提唱しました。
RsEsPsのR/E/Pという大文字は、消費者が商品やサービスを認識し、体験することで、購入に至るというプロセスを表しています。
「Experience(体験)」の段階で、サンプリングやポップアップイベントなど、実際に商品を体験するプロセスがあるのが今までと違う特徴ですが、流れとしては、従来の購買行動モデルと大きく変わらないと思われるのではないでしょうか。

RsESPsの最大の特徴は、小文字表記のsである「検索・共有・拡散」です。一連の段階における、顧客のインターネットやSNSでの動きを表しています。
商品・サービスに対する3つのどの過程においても、「検索・共有・拡散」するようにさせることです。
つまり、今後のマーケティングでは、認識・体験・購買すべての段階で、顧客が「検索・共有・拡散」したくなるような施策を考える必要があるのです。

AIDMAはもう古い?

SNS時代の到来で、消費者とのコミュニケーションが重視される時代となりました。それに伴い、購買行動モデルもどんどん進化しています。だからといって、AIDMAはもう古くて使えないというわけではありません。
AIDMAは顧客の購買行動の本質を捉えたモデルなので、今もマーケティング活動に変わらず利用されています。例えば自動車のような、購入に至るまで何度も検討を重ね、多くの時間を費やすものや、店頭で購入する商品などは、特にAIDMAが有効とされています。
AIDMAだけではなく、それぞれのモデルが適した状況があるので、共存していくものであると考えられています。

まとめ

消費者の行動が多様化している現代では、ターゲット層に合わない購買行動モデルに当てはめてしまうと、マーケティング施策の効果が発揮できない可能性が大いにあります。
これからのマーケティングでは、各モデルの特徴を理解した上で、自社商品やサービスの特徴やターゲット像によって、複数のモデルを組み合わせて、施策を打つことが大切になってくるでしょう。そのためにもまずは自社商品・サービスの特徴把握や顧客分析が欠かせません。

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